日々のこと

精神科医のおもに読書日記

村上春樹 / レイモンド・チャンドラー / スコット・フィッツジェラルド

村上春樹によれば、レイモンド・チャンドラーの『ロング・グッドバイ』は、スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』の影響下にあるそうです。

この2作品は大事なテーマを共有している。「損なわれた愛」。かつて愛した理想の恋人。彼、彼女の美点が損なわれ、あまつさえ、ろくでもない相手と一緒になっている。それでも過去の美しかった何かを確かめたい。取り戻したい。

このテーマは村上春樹騎士団長殺し』にも引き継がれている。そもそも『ノルウェイの森』における主人公と永沢の関係性はジェイ・ギャツビーと語り手ニック・キャラウェイをなぞっていたし、『ダンス・ダンス・ダンス』は『ロング・グッドバイ』へのオマージュを含んでいる。

 『騎士団長殺し』については多くの人が多くのことを語るだろうけれど、今、私が興味あるのは上記のような関連性、オマージュの連鎖。書物上での人類の進化、遺産の継承みたいです。